新谷さんと瀬戸内ヘヴン
~香川県 小豆島~
2004年10月15日~17日
ことの始まり・・・
実家のパソコンでネットサーフィンをしていると、あるショップのBBSに、ニセコで山小屋をやりつつ知床のカヤックガイドも行っている新谷暁生さんが、小豆島にある「島風」と、埼玉にある移動式ショップ「スパークル」の共同開催イベントにゲストとしてくるというものがあり、以前からこの情報をHPで11月にあるのを知っていた僕は、 「へーそういえば、そろそろだなー」 などと、気楽に眺めていた。
ところが、その書き込みをよ~く見ると、日程が10月15日~17日となっている。これを見たのが10月10日。
「・・・って、今週末かよ!!」
かーなり焦ったが、よく考えると出張で三重まで行く日程と被っており、うまくいけば交通費を安くあげることができそうだ。つまり、これは「行き」であると悟った。
急いで交通費と、どうやって行くかを調べ、アラスカ行きで金がない懐を調べると何とかなりそうなのでスパークルの北田さんに電話し、予約完了! 急遽であるが、瀬戸内海カヤックツアーに参加することとなったのだった。
出張先から近鉄特急に乗り、京都にでる。ここで新幹線に乗るところを、金がないので快速で姫路まで。そこから山陽本線に乗り換えて日生(ひなせ)に向かう。ここまでに約6時間かかった。
15時30分の小豆島大部港行きに乗り、島に着いたのは16時40分頃だった。
「島風」がある、ふるさと村までバスで行こうと思ったのだが、一時間近くない。
バス代を浮かせる為にと、歩いて土庄(とのしょう)港に向かう。坂道を登ったり降りたりするのは長い間座っていたからか、意外に気持ちよく、いい気分で歩いていた。
ところがバスが来そうな時間になってバス停が無い区間に入ってしまい、終盤はさすがに焦り、走ってバス停を探した。小海というバス停までたどり着き、そこでバスに乗る。ちょっとアホっぽい。しかしバスは誰も乗っていなく、運転手は珍しく20代くらいのお姉さんだった。乗り換えの八幡橋で降りても、しばらくバスは無いから誰も乗ってないし、終点まで同じ値段で行きますか?と言うのでそうすることに。
土庄港のターミナルで時間をつぶし、18時16分発のバスに乗り、池田港で下車。そこから歩いてふるさと村に行く。
今考えると、何で送迎の車を頼まなかったのか、疑問だが、意地でも自力で行ってやると、ちょっとムキになっていたのも事実だ。
結局ふるさと村に着き、迎えに来てもらったら、19時を過ぎていた。なんと10時間もかかってしまった・・・。効率悪すぎ・・・。金があれば一気に高松まで行けるのに。
ふるさと村の入り口で待っていると、黄色いベンツがやってきた。島風のオーナーはBE‐PALや山渓のOUTDOORなんかを読んでいた人なら御存知の、ライターの芳地直美さんである。見たことある人が目の前にいるというのは、なんとも不思議な物だ。
挨拶もそこそこに、「島風」に送ったカヤックと荷物を受け取り、いらないスーツなどを置かせてもらってキャンプ場に向かう。ちょうどバーベキューが始まるという所だった。
今回のツアーに参加したきっかけは、実に単純な物だ。新谷さんと芳地さんに同時に会えると言うだけの話である。
新谷さんは著書「アリュート・ヘブン」を読んで、ぜひ会ってみたいと思っていたし、芳地さんも昔からアウトドア雑誌で記事など読んでいたので、同時に二人に会えると聞き、「こりゃいいや」と参加したのだった。
スパークルもフェザークラフトでツアーをやっているので、色々教えてもらえそうで、実に僕のポイントを掴んだツアーだったのだ。
お客さんも面白い人ばかりで、久々にお客さんとしてお金を払ってツアーにでたので、なんだか気楽で、楽しい。自分が西表にいたことから「デラシネ」の本郷さんと芳地さんが友達ということで話が始まり、さらにお客さんの一人が、昔、西表のカヤックショップ(かなり有名なショップ)で働いていたということもあって、かなり最初から受けとけた感じになった。
新谷さんの第一印象は思ったよりも普通のおじさんで、安心した。
ただ、見た目の馴染み深さとは裏腹に、山男である・・・という空気を醸し出しており、話を聞いていると、年齢や、やっている事のすごさにもかかわらず、どこにも偉そうな態度を見せず、謙虚で、ところどころで出て来る知床やアリューシャンでの実体験を交えたカヤックの話は、本を読んで「こんな人だろうな・・・」と想像していたのとまったく変わらない印象だった。
その夜は食事が終るとバーベキュー台で焚き火をしながら飲み、11時頃に各自テントやロッジに戻っていった。
翌日は雲ひとつ無い晴天。風もそよそよで、絶好のカヤック日和だ。昨日来られなかった人なども集まり、ツアーにでたのだが、あまりショップのツアーの内容を書くと、次に参加する人の楽しみが減少してしまうので、とりあえず簡単に説明すると、小豆島池田町の島太鼓祭りを海上から見た後、一度戻り、その後再び土庄港の近くまで漕ぎ、世界一狭い海峡を漕いで、ふるさと村に戻った。
温泉入って夕食食べたら、新谷さんのアリューシャン、パタゴニア遠征のスライドショーを見て、その後はロッジで宴会。深夜まで呑んで1時くらいに就寝となった。
翌日は午前中いっぱい漕いで(最初、地元高松のお天気お姉さんが来て、ちょこっと撮影に参加)、昼食食べて解散となった。
今回のツアーで僕はフェザーのグリーンランドパドルを貸してもらい、K-1を少し乗せてもらいました。
パドリングに関して僕はフェザーリングもアンフェザーも気にならない方という事もあるが、なかなか使い勝手はよかった。考えていたよりもスピードは出せるし、何よりスキンカヤックにはこの棒切れみたいなパドルがビジュアル的にかっこいい!その気になれるのが非常にいいです。
色々、スターンラダーやローブレイス、ハイブレイス、スカーリングなどやってみたが、後はとりあえずこれでロールをやってみたい。
K-1はコクピットがカフナ以上に大きく、座高が高い。舟が浮いてしまい、やはり遠征向けの舟だと実感。しかし、浮いている割にはどっしりとした安定感があり、でかい舟だけに直進性は最高。リブも前後6つあり、頑丈そうだ。キャンプ道具を満載して乗ってみたい。実際、こいつはやはりいい舟だな~。
新谷さんも知床のツアーでは使っていないが、アリューシャン遠征の際はK-1を使っているので色々話を聞いたが、この舟のすごい所は海が荒れた際の、ねじりに強い構造をしているとの事。これはリジットには真似できない、スキンカヤック独特の特徴のようで、フェザークラフトのカヤックが、リジットのカヤックより優れている点なのだそうだ。とにかく硬く作って、波やうねりに対抗する丈夫さではなく、しなやかな強靭さを求めた構造がフェザーの特徴らしく、キャンプ道具を満載してもその性能は変わらないというから、いやいや、ベタ褒め。「柔良く剛を制す」「樫の木よりも柳の木」。東洋思想のようなこの舟がますます気に入ってしまったな。
でもあくまで、K-1での話であって、カフナではどうか・・・。リブも4個だし、アルミフレームも、K-1に比べるとショボイので、本格的な遠征に向くかは、甚だ疑問が残るようだ。
グリーンランドパドルといい、K‐1といい、かなり欲しくなってしまいました。
ツアー後、一足先に帰る新谷さんを見送り、温泉へ。出張に来ている時から温泉に入っているのでほぼ毎日温泉。ん~贅沢だね。
その後、芳地さんの運転で島を観光して回り、帰りの時間が厳しくなってきて、ごたごたと夕食を食べて、昔西表のカヤックガイドだった人といっしょに高松行きのフェリーに飛び乗った。この人は高松9時10分発の新宿行きの夜行バスに乗って帰り、僕は9時50分発の東京行きに乗って帰った。
このバスは芳地さんの情報がなければ乗ることができなかったので、最後の最後までお世話になってしまいました・・・!いつもながら時間にルーズな為、フェリーの時間を気にせず、新幹線に乗り遅れちまったのです(笑)。解体して家に送るはずだったカフナも、結局、北田さんにやってもらうことになり、ずいぶんとお騒がせをしてしまいました。
でも、とにかくスゲェー楽しかった!!本当、久々に「遊んダー」ッという感じになりました(カナダ・アラスカとはまた違った意味で)。
北田さん、芳地さん、また何かあったらよろしくお願いします!
新谷さんの知床ツアー・・・。行くしかないな・・・。
INFORMATION小豆島へ
東京からは電車で、もしくは飛行機、高速バスで以下の4箇所から島へアクセスできる。
高速バスは東京(東京駅八重洲口、新宿駅)、横浜、名古屋、大阪から、高松への直行便が出ている。
①大阪・神戸から行く
大阪天保山港から、神戸港、小豆島坂手港、経由で土庄東港に行く高速船「びっくあーす」が出ている
五島産業汽船 http://www.goto-sangyo.co.jp/
②日生から行く
JR日生(ひなせ)駅からすぐ目の前の日生港から小豆島大部港へ。ふるさと村に行くには不便。
瀬戸内海観光汽船 0869-72-0698
③岡山から行く
新岡山港から小豆島土庄港までフェリー、高速船が出ている。新岡山港から岡山駅までは遠いので注意
両備運輸 http://www.ryobi-unyu.co.jp/
四国フェリー http://www.shikokuferry.com/
また、宇野港から豊島経由で土庄港へフェリーがある。
小豆島フェリー http://www.shodoshima-ferry.co.jp
④高松から行く
各種港はJR高松駅から歩いて5分ほどと、近い。
県営第一浮き桟橋からは土庄港へ高速船が。
県営第二浮き桟橋からは高速船「びっくあーす」大阪行きで土庄東港へ。
サンポートフェリー乗場から土庄港へフェリーが出ている。これが一番無難。
四国フェリー・五島産業汽船・小豆島急行フェリー
島内での交通はバス(小豆島バス http://www.shodoshima-bus.com/)で。便数は場所にもよるが多くもなく、少なくもなくといった感じ。
「島風」には土庄港、土庄東港がもとよりの港となる
島風(しまかじ/芳地)
TEL : 0879 (75) 2266 / FAX : (75) 2244
URL :http://homepage3.nifty.com/naomihochi/index.htm
Seakayak Trip Design SPARKLE(スパークル/北田)
TEL :090-1124-1351
FAX :04-2922-7237(切替)
URL :http://homepage3.nifty.com/kayak-sparkle/index.html
Lodge Wood Peckers[NORTHERN ADVENTURE KAYAKS](ノーザンアドベンチャーカヤックス/新谷)
URL :http://www2.famille.ne.jp/%7Ebear/